長門サイチ『幸運の理髪師』の感想|ワンコ年下攻めが好みな方におすすめ!【ネタバレ注意】

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登場人物

受け→竹原那智(たけはらなち)
竹原理容店の店主で腕利きの理髪師。美人受けで
ゲイ。

攻め→藤堂司(とうどうつかさ)
学生時代にいじめられていたが、那智のヘアカットで人生が変わるほどの変貌を遂げる。ノンケだったが那智と出会ったその日から那智に夢中になる。

ライバル→橘(たちばな)
司のライバル。専門学校生だが竹原理髪店へは研修で来店。元々ノンケだが、昔那智に出会って一目惚れをした。司には嫉妬心から敵意を持つ。

あらすじ

腕の良い美人理髪師が、いじめられっ子を見事なイケメンに変身させる。その後、人気俳優としてブレイクした司と那智は少しずつ愛を育む。

那智に猛アピールする司がとにかく愛しすぎる!!

こんなに暖かくて感動的な純愛がBLで読めるなんて・・・!

まず読み終わって最初に出てきた感想がコレです。

クラスメイトに「ネクラの大木」とあだ名をつけられていじめられていた司が、投げやりな気持ちで訪れた理髪店。そこで那智に出会い、地味でパッとしない容姿から絵に描いたような美男子へと変貌を遂げます。

そして、自らの大変身ぶりに驚くと同時に、那智のことが頭から離れなくなりました。

那智はもともとゲイですが、女性張りの美しい顔面と色気・そして魅力的な性格を持つ無自覚ノンケキラー

そんな那智に「いつも胸を張って前を向くこと」というアドバイスを貰った司。

那智の言葉を胸に、前を向く司が失いかけていた自尊心を徐々に取り戻していくのです。そこから周りの態度も司の状況も一気に良い方向へ変わってゆきます。

まさに、幸福を呼ぶ理髪師!

そんな2人の純愛ストーリーを描いたこの作品。本当にお互いがお互いのことを思いやり、読めば読むほどに温かい気持ちにさせられます。

売れっ子人気俳優になっても、那智に会いたくて理容店に通い続ける司は物凄い奥手。

「ハゲてるけれど常連」の爺さまたちに助けられながら、何とか那智の情報を貰ったり。大好きなのに気持ちを打ち明けられない日々が何年も続いたりしたほどにシャイだった司。

でも、無事に那智と気持ちが通じ合ったあとはものすごい展開に・・・!!

何がすごいかって?それは「無自覚の言葉責め」です。事の最中に長年の想いが自然と言葉になって溢れ出してしまうのです

普段大人しく物静かな司とのギャップがもうすごいこと、すごいこと(笑)。

那智も照れながらそれをしっかりと受け止めます。

もちろん、那智も司が大好き。いつも司のことを考えているのです。

ただ、男性にモテている自覚がなく、無防備に色気を含んだ笑顔を振りまいてしまうところが欠点といえば欠点といえるでしょうか。

サービス業の性でしょうか。性格はサバサバしてて本当にいい男なのですが、そこで司がいてもたってもいられなくなる描写がまた歯がゆいのです。

そんな中で見られる2人のエッチはかなり濃厚。優しいけど激しい。本当にお互い心から大好きでないとできません。

最初はイマイチだった司のテクニックが徐々に上がっていく様子を見るのも、ファンとしては嬉しくなってしまう限りです。

『幸福の理髪師』は全2巻。完結済みです。その後、長門先生はコミック本を出されていないようです。

ノスタルジックな絵柄はいまの時代と逆行しているイメージを抱いてしまうかもしれませんが、読み進めるうちに味が深まり、むしろ「このお話にはこの絵柄でないと!」という気持ちにさせられる、素晴らしい作品です。

本当は3巻以降も拝読させて頂きたい気持ちで一杯なのですが、叶わぬ夢になってしまうのでしょうか。またいつか、長門先生の作品に出会ってみたいものです。

個人的評価

感動度      ★★★
純愛度      ★★★
ノスタルジック度 ★★★

素クールが発する言葉責め・ワンコ年下攻め・美人受けが好きな方はぜひ一度読んでみてください♪はまること請け合いです。

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