■登場人物
受け→ハナ：主人公。カフェの店員。アルファと身間違われんばかりの美しい容姿を持つが実はオメガ。連雀が大好き。
攻め→連雀（れんじゃく）：誰もが憧れるフラワーコーディネーターのスパダリ。性はアルファ。
連雀のライバル→蒼葉（あおば）：ハナの弟。イケメンのアルファ。実兄のハナが好きで番（つがい）になりたいと思っている。
■あらすじ
奥手オメガのハナと極上アルファの連雀。ハナのヒートがきっかけで体の関係を持つ事となる。やがてハナに惹かれ始める連雀だが、現れたライバルはハナの実弟。オメガバースが織りなす三角関係を経て、無事幸せをつかむのは誰？
■美しい容姿を持つハナと連雀、ハナに恋心を抱く実弟の三角関係に注目！
クロネコシリーズで大人気の左京先生が描く、オメガバース作品です。
オメガバースとは、男女の性にアルファ・ベータ・オメガの性それぞれが付属した「６つの性」が存在する世界を指します。まるで異世界みたいな話ですよね。初めて読まれる方は男性妊娠などの要素が有り、困惑するかもしれません。
ですが、大丈夫！最終ページにオメガバースの説明が載っておりますので、そこを軽くお読みになってからTRYしてみて下さい。理解が深まると、内容に入り込むのが容易になります。
するとどうでしょう。わかりみが倍増する事うけあい！是非お試し下さい。
早速内容を拝読してみると、左京先生のオメガバースは思った以上に甘美。そして、心に刺さるものでした。
まず注目したのは、アルファに間違えられるほどの美しい容姿を持つ、主役のハナです。ハナの勤務先は、オシャレなカフェ。そこに通ってくるアルファの連雀に、淡い恋心を抱いています。
ただ、自己評価が低いハナは最初から彼との恋愛を諦めてしまっているのです。なぜここまで自分を卑下するの･･････と、読者は切なくて悔しい気持ちにさせられます。
でも、よくよく考えてみると自己を卑下しているのではなく、オメガという性にコンプレックスを持っているのですよね。コンプレックスで恋愛に積極的になれない。現実の世界でもあるある案件ですよね。なんとなく共感はできるかもしれません。
脱線してしまいましたが、そんなハナも遂に街中でヒートが炸裂してしまいます。そして、それを助けるのがたまたま通りかかった連雀というわけです。
え？！そんな偶然ある？！と最初は思いました。ですが、下巻まで読むと、その奇跡の理由が何となく掴めるんです。
連雀も、カフェで働くハナが前から気になっていたという事実が。もしかすると、ハナが倒れたのを見つけて、慌てて飛んできてくれたのではないかなと予想します！
連雀は、一見無表情で冷たい男。だけど、読みすすめていくうちに彼の心の内が伝わってくるんです。彼はぶっきらぼうで冷たい言葉を投げかけてくるキャラクターなので、本当に分かりにくいのですけれど、何だかんだでハナのピンチにはいつも駆け付けるんですよね。
読み進めていくうちに、まるで自分が助けてもらったかのように胸キュンが止まらなくなってしまう私です（笑）。
それからもう一つ。オメガバースについては、書き手さんにより解釈が違ったりするのでなんとも言えませんが、連雀のライバルがハナの実弟っていうのには驚き。
オメガバースでは、男同士でも子どもが産めちゃうのに、近親相姦って概念はないのか？などと若干の違和感を抱えたものです･･････。でもまぁ、この弟イケメンだしいいやと、適当にゆるーく考えて楽しく読ませて頂きました。
甘美な世界を堪能するには「余計な思考や常識」を戸棚の中にしまう事も、時には必要なのかもしれません（笑）。
こちらの上下巻を堪能後、しばらく「高嶺の花ロス」になってしまっておりましたが、最近待望の続編『高嶺の花は、乱されたい』の１巻が出され、喜びのあまりアマゾンで入手しました。左京先生！ありがとうございます！２巻以降も楽しみに待っております。
■個人的評価
１８禁度 ★★★
甘美度 ★★★
主力メンバーイケメン度 ★★★
ハードなオメガバースが読みたい方、黒髪スパダリがお好きな方、とにかくイケメン同士の恋愛でキュンキュンしたい方におすすめです♪
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